今年最初の雇用保険受給認定日。見慣れたこの風景も早く見納めしたいものだ。
今年は繰下認定といって、本来なら1月2日認定を1月7日にシフトされての認定だ。残り日数は5日。いつもの様に失業認定申告書を受給資格証で挟み込んでトレーに入れて順番を待つ。
今日来所した人は随分と人数が少なかった。またスピーカーで名前が呼ばれたので聞き取り安かった。
8人くらいが職員の周りに集まり、雇用保険受給資格者証を返却。いつもなら、次回提出用の失業認定申告書を同時に渡されて、書き方の注意事項を説明して解散となるのだが、呼ばれた方全員に
「今日で全員受給が終了しました。」
「続いて求職者支援制度のご案内をさせて頂きます。」
あれ?個別延長支給はどうなったんだろう? 一度だけ来所を忘れてしまったのが仇となったのか?
個別延長受給については、しおりにも記載されており、会社都合などで離職し、更に積極活動をハローワーク所長が認められた場合に適用される。
ということで、貰った用紙がこちら。職業能力開発センターなどに通う事を前提に、職業訓練受講給付金というのが支給されるそうだ。
この説明を更に訊くために、早速
職業訓練の相談と申込みである9番窓口へ。いわゆるポリテクセンターとか、民間企業が提供している能力学校などで学ぶそうだ。受講は1ヶ月、6ヶ月、1年とあり、入学時期が決まっている科目もある。
支給条件が色々厳しく、これらの条件をすべて満たして初めて支給される。月一律10万円。
更に説明を受ける事数十分。そして登録してある経歴書を見ながら職員が、
「あなたの経歴からすると、訓練学校等で訓練しても、時間が浪費されるだけですので、再就職に向けて注力されたほうが良いと思います。」
『そうですか。しかし私は今回で失業手当の給付が最終日だったもので・・・』
「え?離職理由は11ですよね(※11とは会社都合による理由)。」
「それに、受給者証の履歴をみると、積極的に活動しているとお見受けします。」
『そうなんですか?今日認定日で個別延長決定かなと思っていたのですが、受給終了の印鑑を押されて終わりとなりました。』
「この判子にバッテンが書かれているでしょ?[候]印は個別受給候補という意味なのですが、何らかの理由によってその権利がなくなった事を示すものなのです。」
『10月に毎週第三火曜と思い込み、来所しなかった時期がありました。気がついたのが金曜の夜でしたので、連絡したのが遅れてしまいました。この事が個別延長支給対象とならなかったのでしょうか?』
「私の所ではそのご質問は答えることができないのですが、見るからに積極活動されておりますので、2番窓口(※失業給付受給中の各種手続き)で相談されましたか?」
『いいえ、支給終了との事ですぐに9番窓口に来た次第です。』
「もう決定していることなので、変更できるかどうか分かりませんが、ダメもとで相談してみては如何でしょうか?」
相談で変わることなんてあるのか? こんな話の展開になるとは思いもよらなかった。とりあえず職業訓練の資料一式は頂いて、2番窓口へ向かう。
番号札を抜いて待つこと30分。
『今回受給終了したのですが、更に個別延長給付があると思っていたのですが・・・』
「10月に来所されていない時期がありますね。こちらではどうされましたか?」
『ついうっかりですが来所を忘れてしまいました。10月に毎週第三火曜と~(同じ事を言う)』
「事前連絡なく来所されなかった場合は、申し訳ないですが対象から外れます。」
『私の離職理由は11ですし、3月から積極的にハローワークに出向いて閲覧や相談・紹介を頂いたりしておりました。10月の件は私の不注意なので申し訳ないと思っておりますが、更に就職を支援して頂けないかとお願いに参った次第です。』
「・・・・ う~ん、ちょっと難しいですね、(端末を開いて)う~ん、来所されて活動は確かにされていますね。会社都合ですか。 う~ん ・・・」
私は、私の受給者証を舐めるように見ている職員に返す言葉がないので、ただただ黙ってそこに座っているだけであったが、しばらくして、上司の判断を仰ぐ為なのか、
「しばらくお待ち下さい。改めてお呼び致します。」
待つこと約10分、いやもっと待っている。この間、私の頭の中では、受給終了の可能性を感じており、以降の就職活動は貯金を切り崩すことも覚悟していた。
その言葉に私はハッとして、ふたたび窓口に着席する。
職員が次に手にしてきた書類は、雇用保険受給資格者証が2枚、それといつもの失業認定申請書だ。僅かな光がさした瞬間であった。
「普通はこういう事は認めてないのですが、あなたがハローワークを今後も積極利用していただける事、また活動実績や離職理由を考慮し判断した結果、個別延長支給を決定致しました。」
「来所については、以降十分ご注意下さい。」
『ありがとうございます。』
なんと、個別延長の60日が認められたのだ。これが認められるかどうかは大変大きな事だったので、安堵の気持ちでいっぱいになった。
受給資格者証の[候]の印鑑が更に追加されている。そして、支給終了の刻印を含めた部分が黒く塗りつぶされ訂正印が押され、顔写真の部分が切り抜かれた新しい用紙に、個別延長支給決定の印字がされていた。
今回分かった事は、積極活動していれば、うっかり来所をせず延長給付の権利を失っても、交渉次第で認められる事がある事だ。私の場合は認められたが、全員が同じ事になる保証は無い。
来所日は絶対に守るようにしておけば、こんな波乱を経験しなくても良いわけだ。肝に銘じておきたい。9番窓口で助言をして頂いた職員さんには本当に感謝している。
何かあったら、自分で結果を決めたりせず、まず相談窓口で相談することは重要であると悟った。
というわけで、早速端末で会社を検索し、紹介状を発行してもらって求人へ応募活動を開始した。もうエルタワービル23階からの眺めは見納められるように、何とか職に就きたい所である。
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