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PICkit 3 の低電圧動作に関する改修をやってみた(撮影してみた)2012/06/20 14:22:41



マイクロチップのPICマイコンは巷では大変人気のあるマイコンであり、ミッドレンジでも16F1823など100円を切るデバイスが出てきた。書き込みツールもPICkit3が安く手に入るようになった。

PICkit2も簡易ロジックアナライザーや通信モニター、各シリアルEEPROMが書き込めるなどの機能があり捨てがたいが、今後の新しいデバイスはPICkit3でサポートするであろうから、新たに購入するときはPICkit3をおすすめする。オンラインデバッグも高速である。


PICkit 3 の低電圧動作に関する改修

所で、マイクロチップではPICkit3にマイナーな問題があることを発表。日本語英語(pdf)
症状:
PICkit 3 (アセンブリ番号10-00424-R4またはそれ以下)は、最小VDD電圧で動作中のデバイスを検出できない場合があります。この問題は、PICkit 3から電源を供給している場合に発生します。
原因は、出力クロックとデータバッファが電流制限されており、内部VDD電源スイッチャの電圧変動率が粗いために、電圧がデバイスの動作に要求される最小しきい値を下回る事です。この場合、デバイスIDの取得、プログラミング、デバッグ作業が行えません。
問題: PICkit 3のクロックとデータバッファは、電流制限用の直列抵抗をVDD経路上に備えています。ICSPでの動作中、低電圧動作時にバッファの出力電圧が大きく低下してデバイス動作の最小しきい値を下回る事があります。
解決方法:
解決方法はいくつかあります。1つ目は、ターゲットで外部電源を使って電圧変動率を要求値の1%以内にし、供給電流を常に50 mA以上とする方法です。2つ目は、MPLAB IDEの電圧を高くし、抵抗における電圧降下を補償する方法です。最後の、そしてより恒久的な解決策は、CLOCK、DATA、LVPバッファパス内の抵抗(R26、R43、R45)を100 Ωから0 Ωに置き換え、電圧降下が起こらないようにする方法です。改修の詳細は図1を参照してください。

対象製品は末尾R4までのアセンブリ番号が該当。私の所有しているものもR4である。
改造しなくても、調整方法で逃げる方法が記されているが、恒久的に対応したいので改造することに。ついでに、ビデオでハウツーを残しておこうと思った。



交換した部分。R26。元々は100Ωが載っていた。



R45、


そして裏面のR43の3点を全部1608サイズの0Ωに交換すれば良い。チップ抵抗無いよという方は、リード線などでショートさせるだけでも良いだろう。ハンダ付けが終わったら目視チェックを行い、ショートなどが無いか確認。出来ればテスターで電源とGND間のショート確認をおすすめする。
一度何かのデバイスに繋いで認識できるかをテストしておいた方が良いだろう。デバッグエキスプレスを持っている方なら簡単にテストができる。

交換したら、裏に改修された事が分かるようにシールでも貼っておくと良いだろう。掃除にはフラックス洗浄液を使ったが、無くてもOK。




というわけで、一連の作業をビデオで撮影してみた。PICkit3を持っていない人でも、約10分間の動画をご覧頂ければハンダ付けと部品の交換の参考になると思う。私の肉声も聞けるwww



編集後記
全動画は約25分だったが、切り詰めて10分。説明しながらハンダ付けは結構難しいが、意外と楽しかったな。編集が4時間もかかったけどねw アップロードは1時間30分。このためにLoilo2をパナソニック優待で購入した。結構使える動画編集ソフトだ。


コメント

_ のり ― 2012/06/20 20:45:43

丁寧にされてますね私なんかめんどくさいのでマスク無しで作業して周りに付いた半だの処理に・・・です
基板が小さいときは両面テープで軽く作業場所に貼り付けるとやり易いです。
私は洗浄には燃料用アルコールを使ってます(安いので)

_ ラジオペンチ ― 2012/06/20 21:24:49

動画作成ご苦労様です、以前トラ技の特集にあったような気がしますが、動画だと凄い参考になりました。

私、基板の配線には秋月で売っていた20Wだか30Wのハンダコテを使ってました。ただ、これって先端が尖っているのでDIP部品にはパワー不足で使いにくい。さらに熱量不足なので温度を高く設定(サイリスタの電圧調整器ですが)。すると先端の酸化が激しい、ということで使いにくかったんですよね。

それで、先週秋葉に行った時にラジデパ一階の店で交換用のコテ先で、先端に平らな面があるもの買って使ってみたらいい感じになりました。
秋月で売ってる先端の尖っているハンダコテはSMT部品用なんでしょうね。秋月でコテ先に平らな面があるのは無いか聞いたのですが、無かったんですよね。

おっと、チップ部品の話でなくてすみません。<m(__)m>それと、解説のナレーション、GOODです!

_ air_variable ― 2012/06/21 09:27:57

動画の感想をありがとうございます。ひとりごとの様に語りながら撮影しながらの作業は妙でしたw デジカメの動画は輸出の課税対象の都合で30分未満なんですね。(例外もあるそうですが)30分を超えたので後半を再度撮り直した所があります。

>のりさん
動画向けにマスキングをしましたが、普通は省略しています。しかし、作業をしたあとで、マスキングしておけばよかった(´・ω・`) と言うこともたまに起きますw
燃料用アルコール安くていいですね。仕事で無水エタノールやイソプロピルアルコール(HPA)も使ったりしていましたが、無水エタノールは酒税がかかる分高いのが難点です。
洗浄剤の主成分を見たら、HPA70%、その他キシレンとトルエンが入っていました。フラックスの薄め液としてもつかったりしています。

>ラジオペンチさん
使っている半田ごては、ハッコーNo.980の20W/130W切り替えできるコテで、壊れたら新しいものが欲しいといいつつ、10年以上使っていたりします。(先は2回程交換しました)一気に加熱できるので、燐青銅板やTO-220も楽にハンダ付けできます。

私はずっと円錐型を使っていますが、円錐より斜めの方が熱が伝わりやすいので使いやすいという方が多いと思います。

ランドの小さい箇所やQFP用には、ANTEXの黄色いコテなんか、斜めカットタイプが付いていることが多いので、使いやすいと思いますが、高い・ヒーターが折れる・日本向けにアースを外してしまっているのがちょっと残念です。

_ 誠×2 ― 2016/06/23 16:37:35

動画を参考にさせて頂き、低電圧改修に兆戦してみましたが、見事に失敗してしまいました。R26でハンダ部を破壊し、ハンダ不能に陥ってしまいました。昨日購入したばかりでギャフンです。また1個注文ですが、ゴミ箱行きは免れませんでしょうね。

_ air_variable ― 2016/06/27 20:30:03

誠×2さん、こんにちは。
PICkit3の改造をされたとの事で。
部品を外して交換するのは、少し難しかったかもしれません。
代替策として、部品を外さずに、細い電線で、部品の上をショートしてしまう方法があります。そちらの方が安全かもしれません。

また、壊れてしまったかと思われるPickit3は、幸い回路図が公開されているので、テスターなどで調査してみるといいかもしれません。

この65ページ以降に回路図があります。

http://ww1.microchip.com/downloads/jp/DeviceDoc/52116A_JP.pdf

_ くぼた ― 2023/01/22 14:55:18

初めまして、10年以上前にPickit3を購入して、当時はWindowsXPで使っていたましたが、その後プログラミングから遠ざかっていたのですが、最近Wiindows10とMPLAB X IDEでPickit3を使ってPICに書き込みを行うと時々エラーが出るようになりました。
Netで調べるていると私の持っているPickit3は相当古いものになるらしく、エラーが出ることがわかりました。
こちらのページを参考にさせていただき、0Ωのジャンパー抵抗を購入し、3か所の交換を行いました。
動作はしているのでOKだと思います。
ジャンパー抵抗は200個で100円なので安価でいいのですが、今後は使うこともないように思います。
大変参考になり、ありがとうございました。

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