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激安テスター「METEX P-10」をシリアル出力に改造+「METEX P-16」技術情報2012/02/04 23:39:26



以前、激安テスターとして紹介した「METEX P-10」は、趣味の電子工作で重宝している。
電源を入れる時に、気になっていた表示があって、




RS232という表示。これは何かの流用LCDなのだろうと思ったが、ツイッターで姉妹機のP-16がシリアル出力できるという事を知り、これも例に漏れないのではと思ったのでネット上で色々調べたら、「PライダーのBlogPinをプラスでRS232テスターだ」で紹介されていた。随分昔に解析されていたんだな。




早速分解。FS9711_LP2であった。先ほどの紹介記事によればLP3である。私が購入した時は恐らく2001年位。URLがチップに書いてあるが、現在ではアクセスできない。
追記:URLが変わった模様。http://www.ic-fortune.com/eng/index.asp?Lang=U

それでも調べると、



残念ながらFS9811_LP2のデータシートは見つからなかったが、それの後継機と思われるFS9721_LP3のデータシートは見つかった。この枠をクリックすればダウンロード出来るようだ。





なるほど、確かにRS232を有効にするポートと、TXDをLEDで飛ばしている。
RS232Cの厳密な意味とちょっと違うが、シリアル通信と言う意味は理解できる。



この部分をGNDとショートさせるとシリアル出力出来る。




そして、この部分からシリアルが出力。図面ではLEDを付けてプラス側に動作させているが、このポートの出力はトーテムポールなので、GND基準で取り出す事も出来る。




何はともあれ、さくっと配線。



LCDを固定する穴を利用して下側に電線を引き出す。GNDは別のテスターで測って、ピエゾの赤がGNDだったので、そこから取り出す。




合計3本をステレオミニジャックに配線。この手のジャックは挿し込む時に信号同士ショートするので、保護として100Ωを入れておいた。音で言う右がRS232スイッチ、先端の左がTX出力とした。これで、モノラルケーブルが差し込まれたら、GNDとRS232の信号スイッチがショートするので、プラグを差すだけで出力が開始される。




位置は色々悩んだが、この部分につけてもテスターリードが収納できるので、穴を開けて配線。




電線を通す切れ込みをニッパーでカット。暫くテスト運用するので、ホットボンドを使わないでおこうと思っている。




ジャックにモノラルプラグを差し込む。おお、表示がRS232に変わった。



激安テスター「METEX P-10」シリアル出力改造

オシロスコープで確認。2400bpsで約3V位出る模様。
テスターなので、GNDを絶縁して使ったほうが良いかなと思っている。

注意として、この改造を行った場合、絶縁されない部分が突出するので、高電圧や商用電源に接続しない事。くれぐれも自己責任で運営されたし。



オートパワーオフになるのかとかまだ検証しないと分からないことがあるが、1000円テスターでの新たな可能性が増えた。

受信は後日作ろうと思っている。
ソフトウェアは、このソフトが使えるらしい。こちらも後日試す予定。


  →「PライダーのBlogPinをプラスでRS232テスターだ
  →FS9711の後継機FS9721_LP3デバイス資料ダウンロード



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追記:
折角なので、P-16についての情報も書き留めておこう。
但し、製作例などは述べない。激安テスターといえどP-10同様、改造すると危険測定領域のCAT IIが失われるのを御承知願いたい。

元ネタは、有名ななる研氏のツイッターより今回の記事が膨らんだ。完成した形は偶然に私のP-10と同じになった。

使用しているチップはES51986(会社は台湾の会社http://www.cyrustek.com.tw/



ピンの引き出し位置は45ピン=RS232、94ピン=SDOの2箇所。但し、このLSIはマイナスVCCであり、GNDを基準として-3Vで定義される。



通信プロトコルも、ちょっと特殊で、7ビットパリティ付き、公称値19.2kbpsである。
そして、電圧も0VでHigh、-3VでLow定義なので、インターフェースを組むときは注意。
試してはいないが、先に紹介していたこのソフトをM-6000M に設定するとP-16に使えるそうだ。

というわけで、興味があったらDIYしてみるのもいいだろう。




おまけ。P-16も持っているが、ちょっと動作が遅いのと、すぐにパワーオフするので使っていなかったが、



このアイコンが、どうやらオートパワーオフの様で、



MIN/MAXボタンを押しながら電源を入れると消えて、電源がずっと通電するようだ。
P-10もSELを押しながら電源を入れる事で同様になる。



コメント

_ 小林重雄 ― 2013/06/21 09:07:49

貴記事興味深く拝読いたしました。 Thanks.

P-10の
DC Voltage of INPUT IMPEDANCE. を
御教示戴ければ幸甚です。

.....小林重雄拝

_ air_variable ― 2013/06/21 14:34:09

P-10の説明書が日本語のみしかなく、それには該当パラメータが無かったので不明ですが、別のテスターでDC時の直流抵抗値を測った所、60MΩまで測れるテスターで測定が出来ないほど抵抗値は高いようです。参考程度ですが宜しくお願いします。

このテスターは秋月で売っているのが最後のロットで、売り切れ以降の再販は無いようです。1000円と安いので手元に一つあると重宝します。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00137/

_ 小林重雄 ― 2013/06/21 20:00:45

早速の御返事を、有難う御座居ました。
叉、視角を変えての検証も嬉しゅう御座います。

グリッド電圧を測りますと、

10M Fluke123 39.7V
10M Fluke83 39.6V

10K アナログテスター 34V
??? P-10 35V
が計測されます。

それで、P-10 の INPUT IMPEDANCEに疑義を抱き始めました。何か思い違いでしょうか?

.....小林重雄拝

_ air_variable ― 2013/06/22 08:38:26

P-10は簡易的なテスターとして利用していましたので、フルークのテスターをお持ちであれば、それが一番信頼できる測定器と思います。
内部的には10MΩを介してLSIに接続されているようですが、測定インピーダンスがどれだけかは不明です。

METEX社にメールで問い合わせてみる方法はあると思います。
http://www.metex.co.kr/

_ 小林重雄 ― 2013/06/22 10:13:57

おはようございます。

お手数をお掛けいたしております。

貴兄の記事で知った「FS9721_LP3のデータシート」は、示唆のトリーガーとなり多角的に楽しませて戴いております。本当に有難う御座居ます。

実は、貴兄にお尋ねする前に、METEX社にメールで問い合わせましたが、いまだに返事がありません。

確かにFLUKEは期待に答えてくれますが、P-10のサイズに魅惑されました。どうも、DMMだから、HI-IMPEDANCEとは、言えない...かもです。

.....小林重雄拝

_ 小林重雄 ― 2013/06/25 11:40:57

貴兄からアドバイス戴いた、METEX社から返事が来ました。

The input impedance of DC voltage for P-10 is about 10M ohm.

貴兄にお骨折り戴いた、
「内部的には10MΩを介してLSIに接続されているようです」
の通りでした。

10M Fluke123で計った 39.7Vが、
P-10 is about 10M ohmでは35.Vと、
10K アナログテスター 34V と近似値は示す事に疑義を感じています。

貴兄の御賢察を賜われれば幸甚です。

.....小林重雄拝

_ air_variable ― 2013/06/26 15:46:25

メールでお問い合わせされていたんですね。
問い合わせ内容が返信されてきたのは良かったと思います。
内容のご報告をありがとうございました。
精密なテスターより乖離しているのは、ADコンバータ後の内部演算
の誤差が大きいのかもしれません。
Metex P-10は簡易テスターと割りきって使うのが有効ですね。

_ ポッター ― 2015/11/22 18:18:35

P-16の改造って出来ないですか?
P-09の改造って出来ないですか?
P-09なんか半額?破損って電池のどこらへん?

_ air_variable ― 2015/11/23 22:55:30

ポッターさん、

>P-16の改造って出来ないですか?

改造となるヒントはこのページで提供しています。改造手法は特に提供していません。
改造に必要な詳細については、ご自身でお調べください。


>P-09の改造って出来ないですか?

現物がないので分かりません。


>P-09なんか半額?破損って電池のどこらへん?

ツイッターからの情報で、「液漏れ訳あり」です。
気になるようであれば、お店(秋月八潮店)に直接訊いてください。
なお、店頭販売のみなので、答えてくれるかどうかも分かりません。

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