今ではどの電子機器に必ず使われている積層セラミックコンデンサ(MLCC)であるが、その扱い方で興味を引く記事があった。積層セラミック、使わないでずっと保管しているとチタン酸バリウムが変化して容量抜けを起こすということだ。
”セラミックコンデンサの中でも高誘電率系に分類されるコンデンサ(B/X5R特性やR/X7R特性)につきましては、その静電容量が時間経過と共に低下する性質を持っています。”
10年以上保管しているTDK製の1uFコンデンサ。多分X7R。
早速手持ちのコンデンサをチェック。確かに0.8uFしかない。他の幾つかも調べてみても1uFに満たされていない。
”エージングにより静電容量が小さくなったコンデンサが、工程内のはんだ付け等で再度キュリー温度(約125℃)以上に加熱されると静電容量は回復致します。”
とあるので、その通りにコンロで130℃1分で加熱してみた。
何という事でしょう。容量が復活!
手持ち30個すべてベーキングした結果。平均で0.84uFだったのが1.1uFまで容量が回復。
実際の基板実装工場でははんだ付けで必然的に加熱されるので、問題になる事は無いと思うが、会社の品質保証部などでは、もしかすると問題視されるかもしれない。
また、古いMLCC搭載のオーディオ機器の基板をドライヤーで加熱すると、もしかしたら音がよくなったりするかも(無責任)
というわけで、MLCCは時間が経つと容量が抜けるお話。なお、詳しい話は先ほどのリンクで説明がされている。
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