私くらいの年代の方なら経験があると思うが、昔のキットはラジオキットが多く、2石ストレートラジオとかトランジスター数を石(せき)という単位を使う事が一般的だった。当時は、多くても6石の表示だっただろう。このキットは、その石数をはるかに上回る22石なのだwwww
それでは、早速開封の儀。取説、両面ガラス基板、そして部品一式だ。部品は特別なものは一切ない。基板は熱が伝わりやすいパターンランドなので、初めてはんだ付けする人でも楽にはんだ付けができるだろう。
その他に必要な物は、
はんだごて(セラミックヒーター式推奨)
ヤニ入りはんだ(初心者は鉛入りのを使うことを推奨)
ニッパー
ブレッドボード(最後にピン足を整える時に綺麗に揃う)
動作確認で必要な物
100μF、耐圧6.3V以上のセラミックか電解コンデンサ
1KΩ、10KΩ、330Ω抵抗
LED
ブレッドボード2枚(もしくは適当な基板)
配線材など
部品はひとつの袋にまとまって入っているので、検品を兼ねて仕分け。カラーコードはルーペなどで確認すると良いだろう。横着な私は抵抗を貼りつけたw
数は以下の通り
抵抗4.7KΩ 4本
抵抗5.1KΩ 3本
抵抗6.8KΩ、100Ω 2本
抵抗100K、820K、10K、3.9K、1KΩ 各1本
トランジスタ2SC1815 12本
トランジスタ2SA1015 10本
ダイオード 4本
ヘッダ8連結(あとで1ピン毎に分割) 1個
基板 1枚
実装ミスのないように部品レイアウト図にマークやらメモやら書きこむ。水色部分は2SC部分。
この取説の裏には回路図が印刷されている。
部品実装はいつも通り厚手のスポンジを使って差し込んでいく。部品は背の低い部品から取り付けるのが基本。
スポンジが無いと、人差し指の腹で押さえながら、裏から一つ一つはんだ付けが必要になるが、スポンジがあれば、この様に表からはんだ付けが出来る。
欠点として、はんだが裏面まで染みわたりにくいので、基板の裏を覗かれたらはんだ付け不良じゃないかと言い出す人がいるかもしれないw
はんだ付け終わり。目視チェック後にスポンジから抜き取る。
余分なリードはニッパーでカット。
お次はトランジスター。一つ差し込んでははんだ付けの繰り返し。内側から外側に向かって取り付け作業をしている。これも同じく全部取り付けた後にニッパーで余分なリードをカット。
最後にピンヘッダーをニッパーで切って足をつける。コネクターを利用して足のフォームを整えてはんだ付け。ブレッドボードでも良いだろう。
裏側ははんだ付けしなくても表面ではんだされているから必要ではないが、見かけを良くするためはんだ付けをしておいた。
完成!!! スポンジ式で約1時間で完成した。
22石は圧巻! 基板シルク印刷で機能が書かれている。オシロスコープががあればNE555内部の動作を確認できて勉強になる。
点滅テスト。ICクリップで配線してみたw おおっ!無事点滅できた。
これはあとでフィギュアケースに入れて棚に飾っておこう! 買ってよかった!!!
モバイル端末が普及することでデバイスがどんどん進化し、ICやLSIがブラックボックスしていく中、刻み込まれたシリコンウェーハの原点はここにあると改めて認識させられるキットである。
また、故ハンス・カーメンチント(Hans Camenzind)氏が当時経営が悪化しているシグネティクス社から独立し、一番売れるICを作る約束で同社と契約、彼の人生の一番大変な時期に生み出され、そして全世界に名を知らしめたICでもある。(wikipediaと本人インタビュー動画参照)
NE555のICはセカンドソース品やCMOS版が格安で市場に出まわっているが、このキットは彼の功績を讃えるのにふさわしいキットだ。
敢えてトランジスタと抵抗で構成されたキットを眺めるだけで、彼の魂が伝わってくるようで、自分自身を元気づけてくれる良いアイテムと確信した。
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