夜中あたりに自分の家のベランダに空き缶などのゴミを放り投げる不届き者がいるので、警戒させるための小道具でも用意することにした。製作するものは、5~10秒程度に1回フラッシュする装置だ。ただの点滅回路でも、悪さをしようとする人間は警戒する筈だ。
点滅回路は
こちらや、
こちら、キットなら
こちらや
こちらなどがあるが、回路が複雑だったり、既に完売だったり、点滅が速かったりと中々手軽なものが無い。100均でも自転車用フラッシャーがあるが、点滅がせわしなく、これも不可。マイコン使えば良いのではと思ったが、大抵のマイコンは電源電圧が1.8V以上必要であり、電力も一部のマイコン以外は若干大きくなる。
こちらは電池2本仕様。
※追記 こちらは電池1本仕様。約6秒で点滅。違いは1番ピンと8番ピンを接続している部分と電圧。電池が減るごとにフラッシュの間隔が延びていき、1.35V程度でフラッシュが停止してしまう。電池が1本で5ヶ月以上の動作。ここで使えなくなった電池は他に流用出来る。
3Vでも動作する。但し、点滅周期にバラつきが出て、初期は約1秒になる。また、電池が一本あたり0.7Vまで下がるまで点滅し続けるので、寿命も延び経済的である。
そこで引っ張り出したのが
LM3909(pdf)という点滅専用のIC。これは1V位からLEDの点滅ができ、部品点数もICの他、電解コンデンサ、LED、電池だけでOK、消費電力も小さいので単一アルカリで3年弱の電池寿命である。残念ながら廃品種であるが、今でも
ここで入手が可能である。
私もe-eleさんで購入した。サンプル回路も、グーグルで検索すれば色々見つかるだろう。点滅周期も工夫すれば、変更できる。上記の回路は約8秒に1回フラッシュする様にした回路である。
【部品について】
電解コンデンサは1000マイクロファラッドで、6.3V以上の耐圧であればなんでも良い。
LEDは必ず超高輝度LEDの赤を使用。白色LEDや青LEDはうまくフラッシュしない模様だ。
抵抗は1/6Wの10KΩ(茶黒橙金)でOK。
ここでは、簡単に改造するノウハウを伝授しよう。
まずリード同士を接続する。
ハンダが盛り上がらないようにうまくハンダ付けしよう。予備半田しておいてからハンダ付けするとやり易い。ハンダ付けでなくても瞬間接着剤でも良い。
電池ボックス側から赤いリードをゆっくり引っ張っていく。
更に引っ張ると、黒いリードも抜ける。
更に引っ張っていこう。
リード穴から黒い電線が完全に引き込めたら成功だ。
必要に応じてペンチで赤の金具を引っ張って黒いリードを適当な長さに切りそろえれば改造完了だ。バネ側がプラスとなる。スイッチ機能ももちろん生きている。スイッチはマイナス側で切れる仕組みとなっている。この加工は電池ボックスをケースとして利用できて便利。知って損はないだろう。
LM3909は基板を使用せず、空中配線するための加工を行う。要らない足をニッパーでカット。
1,3,7番ピンをカット。裏表でピンの数え方を勘違いし易いので注意する事だ。
自信が無ければ、カットしないで作業する事もできるが、ピン同士のショートに注意が必要。
注意!!! 電池を1本仕様とする場合や、電圧が1.1Vまで低下してもフラッシュさせたい場合は、1番ピンは切らずに、8番ピンと接続する。その代わり、3V時の点滅が早くなる。
回路図を見ながら部品を空中配線していく。
LEDの穴をあける。
私は指向性を斜めにしたかったので、斜めに穴をあけた。
LEDの片方をハンダ付け。極性があるので十分注意。LEDの長い足がアノードで6番ピン、短い足がカソードで8番ピンとなる。
--K|-- という記号の Kだからカソードと覚えておけば忘れないだろう。
この状態でLEDの仮の位置あわせを行う。
半田付けをしてLEDを固定。
裏側はこんな感じ。
バネ側がプラス端子なので、LM3909の5番ピンとハンダ付け。4番ピンは黒のリードをハンダ付けだ。電池を入れてスイッチを入れ動作テストを行い、問題が無ければ、ホットボンドなどで固定してしまう。点滅しない場合は、電池やLEDの極性、ピン番号を再度確認する。
さあ、これが出来上がりだ。雨がかからないように、スイッチや穴の空いた箇所もホットボンドで埋めて防水すれば屋外でも使用ができる。一台はベランダ監視用として使用し、
もう一台は、車の防犯用として活躍。車のフロントガラスに置くだけでも夜中点滅しているのでこれだけでも防犯効果が絶大だ。電源を切らなくても、単三アルカリ2本で大体1年近くは持つと思う。難しい工作ではないので、是非チャレンジしてみたらいかがだろう。
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