学研の大人の科学Vol.24 4ビットマイコン(GMC-4) 波形で見る ― 2009/07/05 16:15:15
今回は、せっかくオシロスコープを買った事だし、付録をオシロスコープを使い、色々な波形を観測してみた。
まずはキースイッチ。
キーのスキャン方法を調べてみた。キーは横4本がストローブであり、方向は出力、縦5本がセンスで方向は入力という事が分った。 スキャンは論理"1"の正論理でスキャンされ、4回ストローブが与えられて、ポートが読み出される仕組みだ。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | |
c | d | e | f | a set | ① |
8 | 9 | a | b | incr | ② |
4 | 5 | 6 | 7 | run | ③ |
0 | 1 | 2 | 3 | reset | ④ |
たとえば、6が押されたとしよう。マイコンはⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの5個のポートで調査をするが、①から順にパルスを与えていき、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの変化を監視する。6が押されている場合、③にパルスが入るとⅢにはそのパルスが入るという具合だ。なぜこのような仕組みにするかといえば、マイコンのピン数以上のスイッチを読めるからだ。スイッチ一つに1つのポートを準備すると20個も必要なのが、これなら9個で済む。その代わり、このようなソフトシーケンスが必要になる。またキーの同時押しについても、理由は今回は割愛するが、このままでは対応できない。
波形は上から①~④の順番にオシロスコープで観測した。手持ちのオシロスコープは2チャンネルなので、①を最初にオシロスコープのメモリー機能で取り込み、その後実際のチャンネル1と同じ波形が出ているときに、チャンネル2を次々とオシロスコープへメモリーして、4種類の波形の時間軸を同じにしている。
ストローブの周期は約6.5KHz(0.154ms) ちなみに、電池は使い古した電池を使っていて3.3V位しか無いが、これでも動作している。セラロック発振なので、電圧はこれらの測定周期には影響されないだろう。 ストローブの個別の波形時間は一定ではなく、最大では36μ秒、 そして、最小では24μ秒という結果であった。④の最後のストローブから最初の①のストローブまでは数十μ秒あいていた。また、ボタンを押した瞬間の波形は規則性を失う。
このスイッチのセンスラインは、100kΩ以上の高抵抗でプルダウンされていると思われる。ためしに、基板の銅箔むき出しのスイッチパッドを指で強く押すと、スイッチが押されたことになる。チャタリング処理などもどうやっているのか不明。しかし、これで何となくこれからやろうとする事には十分な情報となった(かも)。
次にLEDの点灯周期を調べる。
LEDもキー入力と同じ様にポートを節約して点灯させている。LEDを普通に点灯させるには、14個のポートが必要だが、7ポート出力を2回に分けて表示しているので、9ポートのみで済む。この方法も良く使われる方法だ。人間の目は高速点灯すれば残像現象で点灯したように見える事を応用している。 測定箇所は写真の2箇所。 波形は既にトランジスターを経由した後なので、電圧が出ていない時は、ハイインピーダンス状態となるため、刀状の波形になる。選択ラインが1のとき、表示の7つの信号線が0であればLEDが点灯する負論理での駆動だ。 という事は、7セグメントLEDはアノードコモンタイプを使用している。周期はキー入力より相当遅く、一周期126.6Hz(7.9m秒)であった。波形は交互に切り替わるようになっていた。
こんな事調べて何するの?それはまだ内緒。
[PR]大人の科学マガジン Vol.24 (4ビットマイコン) (Gakken Mook)
最近のコメント