パルテノン多摩に折角来たので、100年前の自動演奏機器を実演してくれる
マジックサウンドルームを見学してみた。演奏以外なら写真撮影OKとの事だ。
一番大きい自動演奏装置。パッカード・ウェルテ。紙テープに演奏情報の穴が開けられている。
装置も大きいが音量もでかい。打楽器、ピアノ、木琴、パイプオルガンなどがこの一台に詰め込まれている。音量の強弱は、格子の奥にある扉の開閉で行われている。これが一番迫力があり、音が良かった。
アンコール・オートマティック・バンジョー。5セント硬貨を入れて起動させるタイプ。弦を弾き、運指部分をメカで押さえる構造。楽器がまるごと入っているのが面白い。
ピアレス・トリオ・オーケストリオン。こちらもコインを入れて動かすタイプ。動作中はステンドグラスにランプが灯る仕組み。
インフォフ・ムクレ・チェンバーオルガン。1862年度製と、とても古い楽器なので、老朽摩耗をさけるため演奏は週に1回程度だそうだ。
ドラムにピンが打ってあり、このピン情報を元にパイプオルガンを奏でる。
クナーベ・アンピコ。普通のピアノとしても使える再生装置を備えたピアノだ。実際に演奏者によって演奏し、それを炭と水銀を利用して打鍵情報をロールに写しとる装置が存在したとの事。
鍵盤の下の引き出しを開けると、真ん中にピアノロールの巻物をセットする部分があり、演奏が終わると自動的に巻き取り動作になる。ピアノロールには穴が開いているが、強度を保つための工夫として、長い穴になる所は、点々の丸穴にしている。
こちらは見た目のインパクトがあった、ハップフェルト・フォノリスツ・ヴィオリナ。1丁のバイオリンについて1本だけの弦をつかうという贅沢さ。
3丁あるので3ポリフォニックということか。バイオリン自体は4弦あるので、3弦用にアレンジされた楽譜を使ったらしい。
弓の代わりに、回転する弓。1000本以上の毛が回転体を構成している。バイオリン自体が可動し、弓に擦りつけて音を出している。
実際の演奏では、エアの反応が良くないのか、ちょっとよれた曲の感じ。しかし、メカだけでよくここまで動かしていると感心した。
ミルズ・ヴィオラノ・ヴァチュオーソ。今までのがエアー式だったものが殆どだが、こちらは電磁式。曲の正確さや共鳴は良かった。
自動演奏装置の歴史は短く、ラジオやレコードなどに置き換わった事、また1929年の世界恐慌が起きた事も起因してその幕を閉じたとの事だ。
実際に演奏している所を見られたのは良い体験だった。
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